R3予備論文(刑訴法)答案構成

刑訴2.5ページ

設問1

①2号、4号該当

②時間的接着性…212Ⅱの文言から。各号は現行犯人性を推認させる類型なので、複数号該当の本件では比較的緩やかに接着性を検討。捜査継続中に、捜査包囲網の範囲内なので接着あり。

③明白性…憲法33の趣旨から。誤認逮捕を防止するため。2項は、1項と異なり、逮捕者が犯行と犯人を直接視認していない場合が想定されている(2項4号参照)。そのため、被害者供述の情報等を基に犯行と犯人が明らかであると判断される場合にも、明白性は認められる。本問では被害者供述、防犯カメラ映像から明らか。

④逮捕の必要性…あり。規則143の3

⑤適法

設問2

①接見交通権は憲法34前段に由来する重要な権利。他方で捜査の必要性に常に優越するわけではない。逮捕拘留は時間的制約が厳しいので。そこで、39Ⅲ前段の必要性は捜査への支障が顕著な場合。本問では間近い時に確実な予定あり。共犯者によるナイフ隠滅もありうるので緊急性高い。必要性あり。

②公訴定期前を満たす。

③39Ⅲ後段の不当な制約にあたらないか。初回接見は憲法保障の出発点なので特に重要。短時分でも調整できないか配慮しなかければ違法となる。本問ではかかる配慮なし。

④違法

〜現場で考えたこと〜

準現逮も接見も予想内。

2人組なので和光大が頭をよぎるが、何度読んでもバッグを持ってるのは共犯者ではなく甲。もし甲がバッグを持っていなければ、2号該当性の判断は慎重になるところ。

昨年の二重の危険に引き続き、今年も憲法に立ち返って丁寧に論述することが2問とも重要と判断。

共犯者が結局捕まっていないところがモヤモヤする。

刑法で10分超過したので焦る。

R3.7.27追記

伊藤塾分析会を踏まえて〜

予想評価B

設問1について、明白性と時間的接着性の書く順番はどっちが先でも良い?212Ⅱで明文ある時間的接着性を書くのが先で、明文のない(または212Ⅱの『明らかに』の文言の登場順からしても)明白性が後のような気が個人的にしている。

212Ⅱ②の認定はもう少し慎重にしてもよかったかもしれない。発見時にはバッグを持っていたが、逮捕時には持っていなかったので。 設問1、2を通じて答案に差が出にくい出題内容なので、逮捕者が現認していなくても明白性を認定できるこ、時間的(場所的)接着性をどの程度厳格に考えるか、を説得的に示せるかが勝負どころになりそう。

バッグの近接所持は、時間的接着性で指摘しなかった。

この点、再現答案が素晴らしい。やはり刑訴はあてはめなんぼ。被疑者の防御権といっても、実況見聞にとどまるのか密室取調べがされようとしているのかで被疑者保護の度合いが変わってくるのは当然。

設問2の結論はどちらでも良いらしい。遅くなって暗くなる事情を使いたかった。