R3予備論文(刑実)答案構成

刑実2.7ページ

設問1⑴

罪証隠滅

関係者に証言を変えるよう圧力かけるかもしれないと誤解されるかもしれないから

逃亡のおそれ

離職したばかりでまた辞めるかもしれないと誤解されるかもしれないから

設問1⑵

罪証隠滅

ペットボトルやレジ袋が未発見

逃亡のおそれ

独身、健康

設問2

照度十分、意識的に犯人の顔を見ていた、供述内容が他の資料とも矛盾しない、記憶が鮮明な当日中に録取、その1週間後に早期の面割り、面割り方法も適当

設問3

157の3は相当

157の4は不相当

設問4

誘導されることなく記憶のみに従って証言させるため

〜現場で考えたこと〜

民実で15分超過したので焦り

Wの視力十分も拾っていたが書き忘れた

全体的にあっさり

R3.7.28追記

伊藤塾分析会を踏まえて〜

予想評価CよりのB

刑実は評価を言語化するのが難しい。訓練が必要だと改めて感じる。

Wの信憑性は、視認状況と面割り状況の二本立てで書くべきだった。あれこれ事実を並べるだけだったので評価されないかも。

遮蔽とビデオリンクは短いながらも条文の要件を検討したので守れたか。

R3予備論文(民実)答案構成

民実2.7ページ

準備書面問題以外は省略

①2段の推定。印影が被告の印章によることは争わないが、1段目の推定が働かないことを反証する。そもそも1段目の推定の根拠は、印鑑が厳重に保管されていて他人が盗用できないこと。三文判でも厳重に保管されていて他人が盗用できなければ1段目の推定が働きうるが、本件では来客が利用する居間に保管されていて、頻繁にやってくるXは保管場所を知っていたはず。留守を預かる機会に盗用することは十分可能だった。そのため1段目の推定は働かない。本件契約書は真正に成立したものといえない。

②そうだとすると、本件では賃貸借契約書が存在しないことになるが、貴重な不動産について短いとは言えない期間を賃貸するのであれば処分証書たる契約書を作成するのが通常である。契約書の存在しない本件では、契約そのものがなかったと考えるのが自然。

また、もし契約があったとすれば、当初は賃料が支払われて契約後しばらくしてから不払いが発生する、という経緯をたどるのが通常。本件では7月末頃に5万円の支払いがあるが、賃料とは異なる額であるから賃料債務のために支払われたとは考えづらい。賃料支払いは契約締結したとされる時期の当初から一切なかったことになる。そうだとすると契約自体がなかったと考えるのが自然。

③よって契約締結の事実はなかった。

〜現場で考えたこと〜

準備書面問題が一番配点高いので、ここで勝負する。枠組みが命なのは、2019過去問と類似。

今回の枠組みは、①2段の推定が働かない→②処分証書の不存在→③契約の不存在、にしてみた。

この枠組みは、2段の推定が働く→処分証書の存在(形式的証拠力あり)→契約の存在(実質的証拠力あり)という典型的枠組みの裏返し的発想。完全に現場判断なので枠組みとして妥当なのか自信ないが、『契約書がない』という被告の謎発言が誘導になっていると信じて乗っかる。

今回は名義人の三文判による印章であることを争っていないので、1段目について反証しなければならない。苦しい。頻繁にY宅に訪問していた事実は争いがないのでこれを使うしかない。

別居うんぬんとか5万円がショッピング費用の立替うんぬんは、当事者間で争いがあるので弱い。リスキーだが、あえて書かない判断。

R3.7.27追記

伊藤塾分析会を踏まえて〜

予想評価B

今年の準備書面問題の難しさは、1段目の推定に対する反証は被告が責任を負うが、反証成功によって請求原因事実(賃貸借契約締結の事実)が認められなくなる不利益を原告が負う、という構造を示さなければならなかったところ。

大きく外したわけではないと思うが、構造の指摘が甘かったため評価が伸びにくいと予想する。

R3予備論文(民訴法)答案構成

民訴2ページ

設問1⑴

判決効が及ぶ115⑴②ので共同訴訟参加52できる

設問1⑵

参加者Yの立てる不存在確認請求は訴えの利益ある。

47前段の『訴訟の結果』は訴訟物をいうと解する。主文に掲げられる訴訟物たる権利義務関係に拘束力を認めれば紛争解決として十分だから。本件ではYは訴訟物ではなく訴訟要件たる権利関係を争うにすぎない。また、47後段は訴訟物が非両立の場合をいうと解する。Yは本件訴訟の訴訟要件を争うにすぎず、XZ間の訴訟物と両立する。

独当参加できない。

設問2

Yは115⑴②により既判力が及ぶのが原則。

これを修正できないか。同号の根拠は代替的手続保障。被告知者が参加したけど熱心に訴訟追行しなかったとか告知者が馴れ合い的にずさんな訴訟追行をしたなどの事情がない限り、紛争蒸し返し防止のため既判力は否定されない。本問ではそのような事情はない。

よって既判力は及ぶ。

〜現場で考えたこと〜

さっぱり分からん。最終科目で腕も心も折れそう。

独当参加は普段なら二重起訴が問題となるが、本問では参加者が訴訟物について争っていないので問題にならない?書くことないな。。

R3.7.25追記

伊藤塾分析会を踏まえて〜

予想評価FよりのE(期待込み)

設問1⑴は分量、質ともに不十分だった。

設問1⑵は47前段、後段ともに検討した点を救済してほしい。

設問2は完全に題意を捉え損ねていた。

R3予備論文(商法)答案構成

商法3.5ページ(2+1.5)

設問1

①Cが正当な代取であるという主張

非公開会社で取締役役会設置会社でもある甲が定款で代取の選定権限を株主総会にも与えている。この定款は有効。なぜなら295Ⅱは取締役役会設置会社の株主総会が決議できる事項を文言上限定していないし、362Ⅱ②③の定める取締役会の代取解職権限が弱まるわけでもないので。

そして、800/1000株所有のAが了承しているので、Cを代取に選定する有効な株主総会決議があったものと考えられる。株主総会招集手続欠缺は取消事由831⑴①に過ぎず、決議の有効性に影響しないか、裁量棄却831⑵が認められる。

よってCは正当な代取であり、その行為の効果は甲会社に帰属する349。

②仮にCが正当な代取でなかったとしても表見代取であるという主張

354の名称、善意の第三者は認められる。Bは何も知らなかったので、黙示的にも『付した』とは言えないとも思える。しかしCが副社長を名乗ることについて800/1000株を有するAが黙認したので『付した』といえる。

よってCの行為の責任は甲会社が負う。

設問2

不当利得に基づく。『法律上の原因なく』といえるか。

①報酬等についての総会決議がないという甲社の主張に対して

報酬等について

労金も含む。確かにBは退任してるが先例として将来の取締役のお手盛りにつながるので趣旨妥当。

具体的な算定方法の決議について

労金は報酬と異なり、退職するのが1人しかいないこともあるところ、総額を決定すれば当該1人の慰労金が分かってしまう。慰労金額を知られたくないという退職者のプライバシーに配慮するため、総会決議は、総額の決定ではなく、推知できる基準に従って支給するという黙示の合意で足りる。本問では、Aの慰労金支給の前例があり、内規に従って慰労金を支給するという黙示の合意があったと考えられる。

よって361決議があり、『法律上の原因なく』といえない。

②仮に①決議が存在するとしても、これを撤回する変更決議があるという甲社の主張に対して

900/1000株式を所有するCの決定により①決議を変更する株主総会決議があったと考えても、①はすでに慰労金を支給する契約の内容となっていて、一方的に変更はできない。

よって、慰労金支給にかかる当初の361総会決議が存続している。『法律上の原因なく』といえない。

〜現場で考えたこと〜

問題文1段落目で非公開会社、取締役会設置会社、と来たので、総会で代取選定する定款の有効性に関する最新判例を想起。そのあとで定款の記載が実際に出できたので確信に至る。それでも、どこで論点化するのかが難しい。。

設問1は代表行為の効果帰属や表見法理。設問2は不当利得。どちらも民法的。民法的思考パターンはH28と同じ出題形式。最新判例が登場するのもH28と同じ。

354について、本問では908の出番がないのであっさり短めに処理。

報酬も出題予想内だが、何を書けば良いか難しい。。

R3.7.25追記

伊藤塾分析会を踏まえて〜

予想評価B

R3商法は『機関の役割』がテーマだった、と強く感じるようになった。代取選定は本来なら取締役会の権限だが、定款自治により株主総会でもできるのか。報酬決定は本来なら業務執行として取締役会の権限たが、株主総会の承認が法定加重されている。つまり、取締役会と株主総会の役割分担が2問を通じた問題意識であると思う。

設問1について、定款の有効性と大株主Aの関与について触れた点は間違ってなかったみたい。ただし、召集通知等の手続を欠くにもかかわらず総会決議があったと認定した点は早計だった。結論が不自然なため評価が伸びないかもしれない。

908②を検討しなかった点もどこまで響くか。。

設問2について、慰労金支給の前例があるため黙示の合意があるから、ではなく、Aが一人株主だった時代に内規が作られているから、とすべきだった。

なお、辰巳は判例にならって信義則で処理すると分析していたが、当該判例は一人株主でない状態で内規が作られていたので、事案が異なるらしい。

また、問題文では、死亡したAを相続したCが大株主になっていて、その大株主CがBに慰労金変換請求しているので、支給決議後に不支給とする変更決議の有効性の問題が登場すると考えられるが、この点については伊藤塾からは指摘がなかった。内規に基づく慰労金支給が認められるという立論がそもそも無理筋なのだろうか。。

R3予備論文(民法)答案構成

民法3ページ

設問1

①売買

ワイン引渡しは不能不能は412の2に従って判断。冷蔵保存が必要な飲用ワインが目的物(発生原因)。販売業者間なので飲用が目的であることは当然の前提だったはず(社会通念)。よって不能解除542⑴①が認められる。

②賃貸

倉庫引渡しは不能でない。もっとも、①が不能であることから②を解除できるか。別個の契約は原則として不能も別個に判断。ただし、複数契約が密接関連で、片方の履行だけでは全体として目的不達成ならもう片方も解除できる。本問ではワインがないので保存用倉庫も不要。反論として、本件ワイン以外のワインも保管する予定があったはずなので、倉庫だけ引渡しを受ける意味はある。再反論として、本件ワインの販売が順調ならは、という仮定に過ぎない。目的不達成。よって解除542⑴③類推できる。

設問2⑴

①特定性…場所、種類を限定している。集合物という概念によって特定あり。

②適法性…限定しているので他の債権者を不当に害しない。公序良俗違反なし。

③178の引渡しには占有改定も含まれるので対抗要件具備。

④よって有効かつ対抗要件あり。動産集合譲渡担保契約の有効性を第三者に主張できる。

設問2⑵

本件ウイスキーと同種同品目のものが本件譲渡担保契約時に倉庫内にあったという事情はなく、同種同品目の補充として搬入されたわけではない。同契約の効力は本件ウイスキーに及ばない。

〜現場で考えたこと〜

542⑴③か⑤かで悩んだ。どちらもダイレクトに当てはまらない気がした。複数契約の解除は民法改正で条文化されなかったというような記憶があったので、類推構成にしてみた。

契約の有効性と対抗要件を分けて検討。有効性は特定性、明確性、適法性だが、明確性が分からん。

どっちがウイスキー所有権の主張ができるかは、合意事項③の解釈上、譲渡担保の効力が本件ウイスキーに及ばないのでは?という安直な発想で手短に片付けた。

R3.7.25追記

伊藤塾分析会を踏まえて〜

予想評価B

参考答案と全体的にほぼ同じ構成でびっくりした。特に設問2⑵。

設問1について、伊藤塾では、論マス等で扱っていない判例が素材とされていることから、現場思考問題として位置づけている様子。

483は反論として書くべきだった。

結局、賃貸借契約を解除する根拠が542①の何号なのか(あるいは明文なく解除が認められるのか)が分からないまま。参考答案も何号かまでは明示していない。

設問2⑴は、誘導がない以上、適法性について触れる必要なかった、ということ?

設問2⑵は、H30判例を知ってたのに答案に活かせなかったのが残念。これ書ければAだったと思う。答案への活かし方まで想像して日頃からストックしておく必要性を改めて感じる。

なお、『補充』にあたらない、という契約解釈アプローチ自体は、的外れと言い切れないらしい。

R3予備論文(刑訴法)答案構成

刑訴2.5ページ

設問1

①2号、4号該当

②時間的接着性…212Ⅱの文言から。各号は現行犯人性を推認させる類型なので、複数号該当の本件では比較的緩やかに接着性を検討。捜査継続中に、捜査包囲網の範囲内なので接着あり。

③明白性…憲法33の趣旨から。誤認逮捕を防止するため。2項は、1項と異なり、逮捕者が犯行と犯人を直接視認していない場合が想定されている(2項4号参照)。そのため、被害者供述の情報等を基に犯行と犯人が明らかであると判断される場合にも、明白性は認められる。本問では被害者供述、防犯カメラ映像から明らか。

④逮捕の必要性…あり。規則143の3

⑤適法

設問2

①接見交通権は憲法34前段に由来する重要な権利。他方で捜査の必要性に常に優越するわけではない。逮捕拘留は時間的制約が厳しいので。そこで、39Ⅲ前段の必要性は捜査への支障が顕著な場合。本問では間近い時に確実な予定あり。共犯者によるナイフ隠滅もありうるので緊急性高い。必要性あり。

②公訴定期前を満たす。

③39Ⅲ後段の不当な制約にあたらないか。初回接見は憲法保障の出発点なので特に重要。短時分でも調整できないか配慮しなかければ違法となる。本問ではかかる配慮なし。

④違法

〜現場で考えたこと〜

準現逮も接見も予想内。

2人組なので和光大が頭をよぎるが、何度読んでもバッグを持ってるのは共犯者ではなく甲。もし甲がバッグを持っていなければ、2号該当性の判断は慎重になるところ。

昨年の二重の危険に引き続き、今年も憲法に立ち返って丁寧に論述することが2問とも重要と判断。

共犯者が結局捕まっていないところがモヤモヤする。

刑法で10分超過したので焦る。

R3.7.27追記

伊藤塾分析会を踏まえて〜

予想評価B

設問1について、明白性と時間的接着性の書く順番はどっちが先でも良い?212Ⅱで明文ある時間的接着性を書くのが先で、明文のない(または212Ⅱの『明らかに』の文言の登場順からしても)明白性が後のような気が個人的にしている。

212Ⅱ②の認定はもう少し慎重にしてもよかったかもしれない。発見時にはバッグを持っていたが、逮捕時には持っていなかったので。 設問1、2を通じて答案に差が出にくい出題内容なので、逮捕者が現認していなくても明白性を認定できるこ、時間的(場所的)接着性をどの程度厳格に考えるか、を説得的に示せるかが勝負どころになりそう。

バッグの近接所持は、時間的接着性で指摘しなかった。

この点、再現答案が素晴らしい。やはり刑訴はあてはめなんぼ。被疑者の防御権といっても、実況見聞にとどまるのか密室取調べがされようとしているのかで被疑者保護の度合いが変わってくるのは当然。

設問2の結論はどちらでも良いらしい。遅くなって暗くなる事情を使いたかった。

R3予備論文(刑法)答案構成

刑法3.7ページ

①嘱託殺人×

殺人199より刑が軽くなる根拠として、死の意味を理解した真意に基づく嘱託が必要であるところ、本問ではこれがないので。

②殺人○

実行行為、因果関係、故意あり

③②の単独犯

①証拠隠滅×

他人の証拠といえないので。甲は共同経営していた父親が退いた後に単独で脱税しているので、父親が他人(共犯者)にあたることもない。

②証拠隠滅の教唆犯×

正犯すら不成立なので、因果性への影響が間接的で弱い従犯はなおさら不成立。

③窃盗○

『他人の財物』は他人の占有する財物の意味。窃取、故意あり。占有者を排除して、取引のために使うという経済的用法に従った利用意思あり。

④器物損壊×

他人の物ではないので。税務署からまだ差押えられてもいない。

⑤自己所有建造物等以外放火○

他人の物ではない。税務署からまだ差押えられていない。

放火、燃損あり。不特定の人の生命に対する危険を生じさせたので、公共の危険あり。公共の危険の認識は不要。毀棄罪より加重される要素と考えれば必要とも思えるが、『よって』の文言から結果的加重犯なので。

⑥延焼×

無主物は要件満たさないので。

⑦殺人の正犯×

不作為は因果性への影響が間接的で弱いので、重要な役割なし。

⑧殺人の幇助×

故意なし。

⑨嘱託殺人の幇助○

客観的構成要件該当性あり。不作為だが同価値性あり。正犯行為を容易にする幇助行為、正犯行為、結果、促進的因果関係、故意あり。片面的でも成立。

⑩③⑤⑨の併合罪

〜現場で考えたこと〜

今年は『自己物であれば犯罪不成立か』が執拗に問われている気がする。自己の犯罪の証拠隠滅は不成立、自己所有物の窃盗は成立、無主物への延焼は不成立、自己物でも差押えがあれば他人物になる、など。

過去問では身分犯(賄賂と業横)が重ねて問われていた年度もあったので、テーマ性は大事。

それにしても分量多い。。。刑訴ちらっと見た限り、刑法に多く時間割いて良さそう。

証拠隠滅を書くことにしたのは、これを書かないと問題文前半がほぼ無意味になりそうだから。もし父親を巻き込んでいたら正犯成立がありえたし、預け先の人を巻き込んだ点は従犯成立がありえる、という整理。なお、証拠隠滅教唆不成立は山口説を書きたかっただけ。

答案構成時は燃やすために帳簿を盗んだと誤読したので利用処分意思否定するつもりだったが、燃やす意図が生じたのは盗んだ後だと答案書きながら気づいたので、利用処分意思肯定方向に軌道修正。

R3.7.26追記

伊藤塾分析会を踏まえて〜

予想評価B

罪証隠滅は『書いておいたほうが安心』程度らしい。

242条を指摘できなかったのは痛い。

税務署の差押えうんぬんとか延焼罪は余計だったみたい。

甲の嘱託殺人幇助の多論点の書く順番が不適切だったので減点されるかも。

あと、全体的に理由付けを省略して定義から直接書いたりしたので点が伸び悩むかも。Aは難しそう。