R3予備論文(行政法)答案構成
行政法2.8ページ(1.5ページ+1.3ページ)
設問1
法的性質…附款、定義
対象…①附款のみ。なお、知事は附款なければ許可しないつもりだったので本件条件と許可は一体不可分とも思えるが、従来は附款のない許可がなされていたのだし、本件条件は行政目的実現や弊害防止に資することを期待して念のため付されたにすぎないので、本件条件と許可は独立可分。よって附款のみ取消対象にできる。②附款含めた許可全体
効果…①完全な許可を受けている状態を直接実現できる②許可そのものがない状態になってしまうので申請型義務付訴訟を併合提起しなければならなくなる
結論…簡易迅速な①によるべき
設問2
裁量の有無…要件裁量、効果裁量認定
逸脱濫用の有無…①平等原則違反。反論として、地方自治の下では他県と違う運用も当然。再反論として、合理的でない運用の差異であり、違法。②信義則違反。公的表示と信頼あり、帰責性なし。違法。
〜現場で考えたこと〜
附款?付款?どっちや。
昨年の協定と異なり、附款は塾の模試で予想されていたので多くの受験生が書けるはず。附款の意義や附款のみを取消対象にできるか、で勝負する。
条件とか負担とか細目は分からないのでスルー。条件だと考えられるが『本件条件』とあるのであえて条件にあたると書く必要もないと判断。
取消訴訟以外は書かなくて良い、という指示が問題文にあるが、申請型義務付を書くと良くない?でも書きたい。書いてはならない、という指示ではないので最低限書くことにする。
原告適格出ないのか涙。
問題文から手続違法は除かれるので実体違法に限定。附款の根拠が一義的でないので要件解釈型ではなく裁量型。
信義則は予備過去問で出題歴あり。平等は初出題?
憲法10分超過で信義則は時間切れ。時間があれば、反論として安定性重視の行政法に民法の適用なし、を書きたかった。
R3.7.26追記 〜伊藤塾分析会を踏まえて〜 予想評価D 申請型義務付ではなく取消判決の効力を論じるべきだった。 裁量逸脱濫用の分量・質は不十分だった。R3予備論文(憲法)答案構成
憲法3.5ページ
違憲審査基準の定立から場合分け
①広告物
性質…自己統治、簡易、配布の人役が不要で経済的なので重要。他方で永続的設置ゆえに人目に触れ続けるため環境調和との関係で制約受けうる
態様…許可制、罰則ありで厳しい。他方で内容中立間接付随的なのでそこまで厳しくないとも。審議会を通すので恣意的な規制にならないとも思えるが、市長はこれに拘束されないのでなお恣意的な規制になりえ、態様が厳しくないとは言えない。
基準…中間審査
あてはめ
目的…現在7割の看板は環境調和しているので立法事実がなく目的は重要でないとも思える。しかし環境を乱す印刷物が増えてきているので広告物にも乱れが派生する可能性があり、目的は重要。
手段…届出制や現状維持で足りるので過剰とも思える。しかし歴史的環境は一度破壊されると回復困難なので事前規制でもやむをえない。また、歴史的環境は積極的に向上させていかなければ時代の流れで失われていくので、現状維持では足りない。よって過剰でない。
結論…憲法適合性あり
②印刷物
性質…自己統治、簡易、店舗等所有者のような設置場所を持つ者でなくても誰でも路上で配布できる、経済的なので重要。他方で一時的に大量に配布したものが捨てられればゴミが増えるため環境調和との関係で制約受けうる
態様…店舗持たない者は一切配布できない、罰則ありで厳しい。他方で内容中立間接付随的なのでそこまで厳しくない
基準…①と同じ
あてはめ
目的…立法事実あり、目的は重要
手段…配布は店舗を持たないような者こそ利用できる効果的な手段なのに、それを例外なく規制するのは過剰。
結論…憲法適合性なし
〜現場で考えたこと〜
広告物と印刷物は単体では頻出だが、対比は初見。おそらく対比の徹底で勝負がつく。
2020出題趣旨から、明確性の原則には触れなくてよいと判断。昨年は明確性の原則を厚めに書いてE評価だった教訓もあり。
目的重要性(立法事実の有無)の認定は厚めに0.5ページ以上消費。
R3.7.25追記 〜伊藤塾分析会を踏まえて〜 予想評価BよりのA 場合分けの仕方は、①最初から又は②あてはめから、らしい。基準定立から場合分けするのはひょっとして少数派なのか。。? 問題文2段落目最後に『広告物掲示の原則禁止と印刷物配布の原則禁止』とあるので、保障と制約までは一緒に書いても良いように思う。また、それぞれの権利性質や制約態様を考慮したいので、基準定立を場合分けしないと書きにくいように思う。 看板の7割が環境調和している事実は、目的審査ではなく手段審査で検討するのが一般的なのか。。?